※
外部サイト掲載版の18禁バージョンです。
大会終了後は怒涛の日々が待っていた。地元新聞の取材に始まり、澤へのスカウトからの電話攻勢、メディアの取材などなど――。落ち着いて引退式をする暇はなかった。
そして電話攻勢は、受けている本人から榛名の方にもかけられていた。プロ志望届を出せ、という電話だ。
大学野球に進むつもりだった榛名ははじめ断っていたが、夏祭りの日に起きた大事件のせいで考え直さざるをえなくなった。澤に、告白されたのである。
想いが通じてみるとゲンキンなもので、もうちょっと澤といたいという欲が出てくる。ずっと胸にくすぶっていたはずの完璧人間への劣等感は、甲子園の優勝旗と、澤の告白でどこかに消えていた。
そこで榛名はいったんその案について考えてみることにしたのだった。
プロ志望届の提出期限まで1週間と迫ったある週末、榛名は澤を家に呼んだ。澤はお泊まりグッズ片手にちょっと不安そうな顔でやってきて、榛名とその父と共に夕食を作って食べた。
食事中は他愛ない会話に終始し、進路についての話題は一切出なかった。今日話し合いをするつもりだから、と父親に話を通しておいたのだ。彼は、大学野球、プロ共にオーケーしてくれた。
やがて食事が終わり、風呂も済ませるとふたりは榛名の部屋にひっこんだ。かくして、話し合いは始まったのだった。
「澤に提案されたこと、考えてみた」
ベッドの上の定位置で胡坐をかいていた榛名に、ローテーブルのそばに座りこんでいた澤が反応した。
「うん」
「それで結論は、イエス」
その途端、澤の目が輝いた。彼女は座布団を抱きしめたまま、身を乗り出した。
「本当!?」
「ああ。だけど早まるな。条件がふたつある」
澤はコクコクと頷いた。
「ひとつ目は、“今まで通りになること”」
「今まで通りって……どういうこと?」
「友達に戻る。キスもそれ以上も、それっぽい会話もなしだ」
「え……」
面食らったような顔をする相手に、榛名は続けた。
「だって無理だろ。野球選手にプライバシーなんてないんだぞ。バレたらどうなると思う? とんでもないスキャンダルだ。
だから選手でいる間は一切そういうことをしない。その代わり、他の誰とも付き合わない。
もしコレが守れないんだったらおれはプロには行かない。このふたつは両立できない」
「………」
「ふたつ目は、給料だけで食ってけなくなったら辞めさせてくれ。おれは、ドラ1の澤とは違う。入れたとしても2軍スタートだ。いつ試合に出られるかも1軍に上がれるかもわからない。給料だけで食えなくなったら辞める。
このふたつを呑んでくれるんだったら、プロに入る努力はする」
「………ひとつ目の条件だけど……家で、ちょっとこう――」
「ダメだ。まず同居はできない。ウッカリってことがあるからな」
「………」
「それでも一緒に野球したいか?」
澤は俯き、口を噤んだ。そうしてしばらく葛藤していたが、やがて頷いた。スポーツ選手にしては長めの髪がサラサラ揺れる。
「……やりたい………。それでも、野球やりたい」
「ハハッ、お前って心底野球バカなのな」
「……今日までは、いいんでしょ?」
澤はそう言ってベッドに乗り上げてきた。そして榛名に手を伸ばす。
榛名は、そうだな、と呟くように言って相手を引き寄せ、唇にキスをした。そしてベッドに相手を押し倒す。
「ハハッ、おれたちアメリカ人みたいだな。告った1か月後にセックスとか」
「音、大丈夫かな……?」
「大丈夫。あの人寝るの早いから」
そう言って榛名は澤の唇を再び塞いだ。それから、慰撫するように頬、首筋、首もととキスをしていって呟くように言った。
「好きだった……ずっと、好きだった……」
淡いオレンジの太い格子模様のパジャマの中に手を差し入れると、澤がびくっと体を震わせた。下着の上から脇腹を上下にさすってやると、澤はたまらなさそう身をよじった。
「ちょっと待って。電気、消して」
パジャマを脱がそうとすると制止される。榛名はいったんベッドから降りて電気を消し、常夜灯だけにした。
闇の中で白く光る肌に、榛名はごくっと唾を呑みこんだ。白い、かわいらしいブラジャーと肌が闇の中に浮き上がって見える。鍛え上げられた体の中で唯一無防備な部分が目の前にさらけ出されていた。
「見ないでっ……恥ずかしっ……」
恥じらうさまにますます情欲の炎が燃え上がる。榛名は下着の上から胸を揉みしだき、首筋を吸いあげた。
「んっ……」
澤がかすかな喘ぎ声を上げる。王子とも美女とも評される美しい顔が快楽で歪んでいた。
そのままブラをずらし、じかに触ってやると、澤は悲鳴じみた声をあげた。
「にゃっ?!」
「今、にゃっ、つった?」
ちょっと笑って聞くと、澤は暗闇の中でもわかるくらい真っ赤な顔を向こう側に向けた。
そのまま乳首をくりくりこねてやると、澤が慌てたように制止してきた。
「まって、まって」
「なに?」
「くすぐったいからやめて」
「澤が日本語間違うなんて珍しいな。それは、くすぐったい、じゃなくて、気持ちいいっていうんだよ」
「だからやめてって……。あっ……」
「もうしばらくヤれないんだから好きにやらせて」
「そんなこといったって……! 私初めてなんだよっ? ゆっくりしてよっ!?」
「大丈夫だって」
榛名はそう言ってブラジャーを外し、両胸をもう一度両手で包みこむように揉んでから乳首に吸いついた。
「ひゃっ!?」
先端を舌先でほじったり、吸ったりして音を立ててしゃぶってやると、澤が口を両手で押さえて悶絶した。
こちとら少なくとも10年分のオカズをもらわなきゃないので相手に配慮なんてしてやれない。それに相手があまりにエロくて理性が爆発寸前だった。
「あっ、あっ、あっ、……―――っ!」
品のない水音をさせて吸いながら、手を徐々に下の方へ移動させる。どうせならスカートがよかった、と心底思いながらパジャマのズボンの中に手を入れる。
太ももを撫でてやると、またも体がビクビク震えた。
「ちょっとまって、榛名さんっ……!」
そう言われて、榛名は仕方なく動きを止めた。そして荒い息をついて唇を震わせている澤に言った。
「で、いつまで待てばいいの? おれ、結構限界なんだけど」
「ご、ごめっ……! ただ、ちょっと怖くてっ……」
「煽るなよ……」
自覚して言っているならとんでもない小悪魔だが、澤の場合それはない。本心だろう。
榛名は仕方なくてをひっこめ、澤を優しく抱いた。
「ごめん、樹があんまりかわいくて早まった。嫌ならしないから」
すると澤は息を呑んだあと、小さな声で返した。
「わ、私こそごめん……。なんか榛名さん、いつもと違うから……」
「これが本当のおれだよ。キライになった?」
そう言って顔を覗きこむと、澤は微笑んで首を振った。
「ううん、そんなことない。玲さんは……最高にカッコいい、私のヒーローだよ」
手が首に回ってきてキスをされる。それを合図に、榛名は愛撫を再開した。
胸の周りと脇腹をなぞるように手をすべらせてゆき、パジャマの上から太ももを愛撫する。
しばらくそうやっていると、体の力が抜けたのでズボンを脱がせた。そうしてひとりで裸じゃイヤだろうと思ってパジャマと下着を一気に脱ぎ、今度は下着の上から愛撫を施した。
両手で口をふさぎ、必死に喘ぎ声を抑えていた澤は榛名の姿を認めると、目を見開き、おずおずと手を伸ばしてきた。どうやら女もいける性質だったらしい。脱いだ途端、やっぱり違う、とか言われなくてよかった、と思いつつ、相手に応じて体を近づけてやる。
すると相手は、榛名の肩から二の腕にかけて指先でなぞりながら、きれい、と呟いた。
「そうか? ツマんない体だろ? “ザ・洗濯板”だよ」
この体型と短い髪のおかげで何度女子トイレに入って眉を顰められたか、と思いながら言うと、澤は首を振った。
「そんなことない……。すごく、きれいだし、かっこいい……」
澤の指が腹に落ちる。そこから熱が伝わってくるようだった。
榛名はそのまましばらく澤が満足するまで体を触らせた。そして足の方に戻って太ももにキスをすると、下着の隙間から手を入れた。そこは既に潤っていた。
「いい?」
下着に手をかけ、一応確認してからそれを脱がせた。澤の体の中で唯一見たことがなかった部分が目の前に曝される。榛名は感動のあまり固く閉じていた膝をガバッと割ってそこをまじまじと見てしまった。
途端に蹴りがくる。
「ちょっとっ! そんな見ないでよっ!」
「わ、悪い悪い……」
さすがに鍛えているだけあって一撃が重い。榛名は太ももの痛みに悶絶しながら、閉じてしまった両足の奥に手を這わせた。
内股になっちゃって可愛いことこの上ないな、と思いながらそこをかすめるように撫でてやると、澤の体が大げさに跳ねた。
「ダメッ……! やめっ……!」
愛液を絡めてしばらく刺激してやると、澤の体の力が抜け、くたっとなった。榛名は今だ、と思って膝を割り開き、そこに口づけた。
途端に相手がじたばたし出すが無視して花弁を吸いあげる。澤はかすれた悲鳴をあげて体をつっぱらせた。
イったらしい。完璧人間の澤は感度も完璧だった。
そのまま舌でぐちゅぐちゅかき混ぜてやると、内腿が震える。充血しきった突起をぐりぐり責めてやると、樹は再び絶頂した。
このまま永遠に続けたかったが、初心者にそれは酷だろうと思って孔の入り口付近に場所を移す。多くの人が勘違いしているようだが、孔周辺や内部は感覚がさほど鋭敏ではない。気持ちいいのはあくまでクリ〇リスだ。子供の頭が出てくる場所に神経が集まっているわけがないのだ。Gスポットとかは男根主義のフロイトが考え出した幻想なのだ。
そういうわけで、小休止のために榛名は花びらとその奥の穴に舌を移した。
澤はゼーハーいいながら息を整えていた。そしてちょっと落ち着くと、口を開いた。
「れ、玲さん、ごめん、本当にもう無理」
「……わかった」
弱り切った声で言われては引き下がるしかない。榛名は仕方なく相手を解放し、タオルケットをかけてやって横に寝転がった。
「あ、あの、ごめんね。つ、次は私が……」
「いーよ。触られんのあんま好きじゃないんだ」
「でも、気持ちよくないでしょ?」
「いや気持ちーよ。お前触ってると気持ちよくなる」
「フーン……。あ、でもコレはいいでしょ?」
樹は言うが早いか、ためらいもなく榛名の口にキスをした。そしてニコッと笑って言った。
「好き」
その翌日、恋人だったふたりはフツーの幼馴染みに戻った。
- 関連記事
-
~ Comment ~