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【  2018年06月  】 

白銀楼物語本編~太陽の子~ 第11章 おれの旦那さま 前編

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2018.06.29 (Fri)

      呉服屋を出ると辺りは薄暗かった。ちょうど街灯にあかりが灯り出す刻限だった。それまで着ていた撮影用の衣裳を包んでもらった信は、荷物を両手に秋二と連れ立って歩き始めた。仕掛けや何枚かの中の着物や小物類など、最初の撮影に使った花魁姿の衣裳はすでに禿たちが持ち帰ってくれていたため、荷物はさほど多くならずに済んだ。格段に歩きやすい男物のゲタをつっかけて夕空を見上げると、信は背伸びをした。「やっぱ動...全文を読む

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白銀楼物語本編~太陽の子~ 第10章 贈り物

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2018.06.28 (Thu)

                      目を覚ますと、見慣れない白い天井が目に入った。身を起こすと、急激に眩暈と頭痛に見舞われ、掌で額を押さえる。いったいここはどこだろう、と辺りを見回すと、天上で木製のファンが回っているその下、正面の窓から一面の海が見えるのに気付いた。 地方の港町だろうか、と思って立ち上がると、信じられないモノが目に飛び込んできた――日本ではありえない、三穴のコンセント口――ここは...全文を読む

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白銀楼物語 用語集

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2018.06.27 (Wed)

                                                               Photo by NEO HIMEISM※随時更新、加筆修正予定                  last updated 18.8.12・見世/廓/妓楼:若い女を買い取り、借金の返済が済むまで閉じ込め、性を売らせる場所。江戸時代の吉原、島原などにおいては10歳前後の少女が親の借金の形などに...全文を読む

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白銀楼物語本編~太陽の子~ 第9章 畠山、登楼す

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2018.06.22 (Fri)

    それから信は笠原に頻繁に呼ばれるようになった。最初は何かと理由をつけて断っていたが、廓に圧力をかけられ、小竹からじきじきに呼び出しに応じるよう命じられたため、そういうわけにもいかなくなった。 行くとたいてい秋二と絡ませられ、〝前座″担当になるので、信はイヤだった。秋二と笠原の時間を邪魔したくないのはもちろん、性的な色合いの無いはずの相手と肌を合わせるのがイヤだったからだ。 信は仕事の最中、ウ...全文を読む

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白銀楼物語本編~太陽の子~ 第8章 笠原の提案

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2018.06.18 (Mon)

        ※R18  それから一週間、秋二は笠原以外の客を拒絶し続けた。初会さえ突っぱねて、誰も登楼(あが)らせようとしなかった。当然見世側は秋二のこの行動を問題視し、〝教育的指導″を行おうとした。そこで信は機を見て笠原と会い、秋二がどれだけ苦しんでいるかを切々と訴え、どうやら彼に相当入れ込んでいるらしい相手が頻繁に登楼する気になるように仕向けた。 結果は、予想以上のものだった。笠原は、二日と空け...全文を読む

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白銀楼物語本編~太陽の子~ 第7章 日だまりの中

その他

2018.06.18 (Mon)

  秋二は眠りの底から浮上した。快眠とはいえなかったが思ったよりは寝られたらしい。頭がスッキリしていた。上体を起こすと伸びをして傍らで寝息を立てる男――やわらかい雰囲気を持つ、若い頃は美男だっただろうな、と思わせる顔かたちの整った四十がらみの客――を見た。彼は何一つ秋二とはやっていないにもかかわらず、満ち足りた顔で眠っていた。秋二は、ここにいてくれるのが信だったらどんなによかっただろう、と思って軽く吐息...全文を読む

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白銀楼物語本編~太陽の子~ 第6章 水揚げ

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2018.06.18 (Mon)

        ※R18      どうやらやっと秋二を改心させることに成功したようで、それ以後、彼は彼にしてはマジメに客あしらいや芸事やその他、必要とされる技術を学び始めた。信は休日にはつきっきりで〝教育″を施した。やることがやることなのでまったく邪な気持ちを持たないことは不可能だったが、なるべく気持ち悪い先輩にならないよう、努力はしたつもりだった。その甲斐あってか、秋二の彼に対する態度に大きな変化はな...全文を読む

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白銀楼物語本編~太陽の子~ 第5章 賭け

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2018.06.17 (Sun)

                    性描写、モブとの絡み<最後まで>あり。18禁。 結局、信はその後笠原の攻略に成功し、秋二の新造出しの時期を延ばすことができた。やがて新造になった彼が頻繁に笠原の座敷に呼ばれるようになっても、一線を超えないようクギを刺すことを忘れなかった。 ある日の宴会の席で、笠原は左右に信と秋二を侍らせながら上機嫌で言った。「これぞ両手に花ってヤツだなあ。お前たちはまるで百合...全文を読む

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白銀楼物語本編~太陽の子~ 第4章 深夜の茶会

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2018.06.17 (Sun)

   約十年前――― 望んでいた急須とポットが与えられたのは、一本立ちして少し経った頃だった。確か二十歳かそこらだった気がする。それまでは厨房や座敷の隅でコッソリ楽しんでいたお茶を、自分の部屋で堂々と飲めるようになれたのは嬉しかった。支度部屋だけでなく本部屋にも持ち込んで客に振る舞ったり、事後の一服を楽しんだりしていた。友人たちも喜んでくれるので、誰か来るたびに淹れていた記憶がある。 時が経って部屋に...全文を読む

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白銀楼物語本編~太陽の子~ 第3章 こっち側

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2018.06.17 (Sun)

  相手の腕の中から抜け出ようと身もがきながら、信は抑えた口調で言った。「もう来るなと言ったはずだ」「おっ、フツーに戻った」「帰ってくれ、頼むから」「見世の許可は取ったよ」 信は相手の身体を引きはがし、ため息をついて、腕を組んだ。「いったい何がしたいのですか?」「何がって……会いに来ちゃダメなの?」「迷惑だといってるんです。あれだけ来るなと言ったのに、ノコノコ来て……浩二さんにバレたら私がどういう仕打ち...全文を読む

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白銀楼物語本編 登場人物表

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2018.06.16 (Sat)

                           <白銀楼(傾城及び傾城見習い)>(カッコ内は源氏名)  last updated 18.11.7・天野信(菊野/深雪←ウグイス庵):主人公。2054.1生まれ。品と知性と教養がある傾城。絶世の美男で、現代に蘇った花街、玉東の男の大見世、白銀楼の看板。同期の鶴見章介と仲が良い。博愛主義で誰にでも優しく、客の選り好みをしないことで有名。身長173cm。・相澤秋二(立花):2058.8...全文を読む

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白銀楼物語本編~太陽の子~ 第2章 再訪

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2018.06.16 (Sat)

                  信は目を覚ました。幸せな夢を見ていたような気がするが、定かではない。見回した瞬間、畠山家の屋敷に帰ってきたのだとわかった。 広大な部屋の中は、ペルシャ絨毯や、控えめなシャンデリアや、湖でボートに乗る人たちが描かれた西洋画などで美しく装飾されていた。パソコンはないが、洗面台やシンクなどの水回りが完備され、バスタブ付きのシャワー室も部屋と呼んでもよさそうなウォークイン...全文を読む

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白銀楼物語本編~太陽の子~ 第1章 河岸見世屋、ウグイス庵

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2018.06.14 (Thu)

           警告:暴力描写、暴力的な性描写、モブ姦あり。18歳以下の方は閲覧しないでください。            ~愛とは、いかなる欲望からも解放された利他的行為のことである~ 部屋の中に足を踏み入れた相澤秋二は暫時目を見開いた。覚悟はしていたものの、予想以上にひどい光景に身体が固まってしまう。その河岸見世屋、ウグイス庵の内装はその辺の安っぽいラブホテル以下だった。一番上等の部屋のはずな...全文を読む

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白銀楼物語~太陽の子~ 本編(R18)もくじ

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2018.06.14 (Thu)

                                               Photo by はむぱん【あらすじ】 last updated 18.10.17 二十一世紀後半――本来文明と民主主義の成熟期であるはずのこの時期に、日本は時代を逆行していた。人権という概念が理解されない、理解されたとしても存在を無視される暗黒の世紀へと突入したのである。その時代の日本社会において、もともと弱い立場にあった者は差別と偏...全文を読む

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新連載(bl)のお知らせ

お知らせ

2018.06.14 (Thu)

  こんにちは。お久しぶりです。栄徳野球部スピンオフ、なかなか進まなくてすみません。他のを書き始めたら筆が進まなくなってしまいました・・・・・・折を見ていけるところまでは行きたいと思いますがしばらく更新停滞すると思います。(既にしてますね^^;)まあ本編完結してるからいいかな・・・・・・ ということで今度はblの連載を始めたいと思います。昨年秋に読んだ鈴木あみ先生の『花降楼シリーズ』にインスパイアさ...全文を読む

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