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【  2017年07月  】 

16.渇望

栄徳高校女子野球部! スピンオフ (更新中)

2017.07.02 (Sun)

 ※警告:合意でない性行為の描写・暴力表現有 R18        updated.18.7.2窓の外を晴れ渡った青空に浮かんだ雲の一群がうしろの方へと流れてゆく。大陸は違えど空の色や大気の厚さはさほど変わらないんだな、と思いながらそれらを見るともなく眺めていると、左肩を叩かれた。「さーわさん」 女にしては少し低めの、深みのある特徴的な声に、澤は瞬時に相手の正体を悟った。声のした方に目を向けると、真田さやが、ココ...全文を読む

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Parallel Lines 1

栄徳高校女子野球部! スピンオフ (更新中)

2017.07.02 (Sun)

  少しずつ夏の気配がし始めた6月のある日のことだった。まだ梅雨時のようにしめっぽくもなく、夏のように暑くもない、涼しい風が開け放した窓から入ってきて生徒たちの髪を揺らしていた。 江夏八紘(えなつやひろ)は、窓の外に広がるグラウンドから前方に目を戻した。教壇の上では、棺桶に片足を突っ込んでいるかに思われるほど高齢の歴史教諭・九条が、ぼそぼそと十月革命について説明していた。校舎の最上階、グラウンドに面し...全文を読む

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栄徳高校女子野球部! スピンオフ (更新中)

2017.07.02 (Sun)

  榛名玲は、不意に自分の周りを取り囲む観客の存在に気付いた。加えて、彼らのほとんどが相手の応援をしていることも認識してしまった。その瞬間、この日初めて足が竦んだのを感じた。 夏の甲子園1回戦の今日、対戦相手は近畿の強豪だった。アウェイであることを覚悟の上で臨んだ試合、ここまでは比較的声援を気にせずに投げられていた自覚があった。しかし、8回裏で走者をひとり出した直後から、スタンドからの応援は地鳴りの...全文を読む

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未来

栄徳高校女子野球部! スピンオフ (更新中)

2017.07.02 (Sun)

  陽光きらめく天高く白球が舞い、少し気の抜けたような打球音が球場に響き渡る――打ち取った音だった。「ナイリー、ナイリー!」  多くの人々が投手をほめたたえる中で、そう言って駿河紫音(するがしおん)をねぎらってくれたのは、同級生で、チームメイトで、かつライバルである友人――澤一樹だった。 彼女は、スタンドの最前列に座ってメガホンを振り回していた。駿河は彼女に向かって軽く手を上げると、先ほどリリーフした2年...全文を読む

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