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【  2010年11月  】 

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倉庫

2010.11.23 (Tue)

 ―今日も朝から寒い屋外に放り出されて作業だ。鍬を持つ手が痛み、マカは眉を寄せる。どこにもぶつけようのないイライラを押し込めつつ、一人思う。―なぜ、俺がこんなことを。俺はここで何をしている?答えの無い問いだけがマカの頭の中をぐるぐると廻る。忙しいながらも充実した日々を送るはずだった。命の危険など無い場所で安穏として人生を送るはずだった。それがどうだ。慣れない肉体労働と祖国とあまりに違いすぎる過酷な自然...全文を読む

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倉庫

2010.11.23 (Tue)

 瀟洒なレンガ造りの家の一室、停滞したような空気が、音楽の流れる室内に漂う。革張りのソファに怠惰に四肢を投げ出した金髪青眼の男が無造作に茶髪の男の腕を引き寄せる。腕をとられた少年とも青年ともいえる男はわずかに眉をひそめて手を振り払った。「マッサージならもうしてやっただろ、いい子はもうおねんねの時間だ。私の負担を軽減する為にもさっさとシャワーを浴びて寝てくれ」「嫌だ」駄々っ子のように要求をはねつけるシ...全文を読む

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2章 1

倉庫

2010.11.23 (Tue)

 夜は白々と明ける。首都ではあるがしばらく歩を進めれば街並みは過疎化し、ぱらぱらと農家とおぼしき民家のみ。通年低温乾燥、支光―地界でいう太陽―の光をさえぎる分厚い雲が空を暗くする。橙の晴れ間は災兆圏で日常を彩る極彩色であり、支光の入りは燃え上がる松明の炎の如く世界を血の色に染める。孔雀が羽を拡げた堂々たる様で仁王立ちするのは、線は細いが秘めたる意志の強さを表す眼光の鋭さが特徴的な亜麻色の髪の少年。 唇...全文を読む

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突然だが

その他

2010.11.20 (Sat)

 既存の小説すべて下げます(テヘ 加筆修正というより書くのやめました。続きが気になって夜も眠れない方はどうぞその辺をひとっ走りして忘れて下さい。新しいのに取り組んでいきます。...全文を読む

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このサイトについて

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2010.11.17 (Wed)

 ようこそ、君が見つける物語へ。当ブログは冬木水奈による一次創作小説中心のブログです。主に高校野球(女子・GL・本編<一部R15>完結済、スピンオフ<一部R18>展開中)のお話、廓ものBL(R18 本編完結済)を扱っています。また著作権は放棄していないので転載などはおやめください。更新不定期。コメントは現在受け付けておりません。当サイトはリンクフリーです.Site Master:冬木水奈Site URL:http://fuyumizu5...全文を読む

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2010.11.16 (Tue)

 母が何故父に切られたかは明白で男が誰しもそうするように唯唯諾諾と言うことを聞く女を父が空想し、おおよそその女は意識的にしろ無意識にしろあるべき女性像を演じるところを堂々と信号無視して突き進んだ結果。自業自得と言う人間が少なくないが雪人はそんな他人が許せない。筆舌尽くしがたい激情と憎悪に胸を焦がした日も少なくない。お前らに母の何が分かる。雪人は思う。とにかく働いて数字を出すのが好きで、明らかに本来の...全文を読む

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2010.11.16 (Tue)

 雪人は思った。何故自分だけがこうなのか。飄々と悩みって何ですかそれって食べられるもの?食べられるとしたらどんな味がするの?甘いの辛いのしょっぱいの。と嘯く愚者達の宴は今日も終わることがない。彼らは知らないのだ。絶望は白色にてらてらと光る真実を。どんな身を抉る暗黒の絶望もその色彩が黒であるうちは希望というなの救いの片鱗を内包しているのだ。おとなは、それを知らない。いや、知らないふりをする。何故なら彼...全文を読む

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2010.11.09 (Tue)

 瀟洒なつくりの王室に、彼女は微動だにせずに座っていた。眼光は鋭く、女王たる品格があった。「女王様、兵から話はお聞きになっていると思いますが、このエバイアーズの処刑について、ご相談つかまつりたい」ヌガー老師と呼ばれた、エバイアーズに同情してくれた老婆が深深と頭を下げた。「この者は悪しき高術界の中枢を担ってきましたが、先ほど、忠誠の誓いを条件に命を助けてほしい、と言われました。漢使術師で、我が連合国で...全文を読む

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2010.11.08 (Mon)

 夜が明けた。決戦への参加者はそれぞれ思い思いに会場へ向かった。決戦会場は、高術界一大きいといわれる、ウェイントホールだ。サスティは、タキシード姿のエバイアーズを見つけ、自分もそろいだということに気が付き、少し微笑んだ。会場は既に満杯になり、立ち席を準備している。出場者は、あらかじめ用意された二階席に座ることになっている。ファンファーレの音と共に、最高術官がステージに出て、挨拶をした。多分、大半がろ...全文を読む

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2010.11.07 (Sun)

 30年前―「薄汚い小僧め、早く出て行け!」細く痩せ細り、意識もさだかでない一人の浮浪児がまた、一軒の店に追い出された。「僕は負けない。なんたって、サスティさまなんだから。負けはしない・・・」浮浪児はそんなことをうわごとのように呟きながら、よろよろと店を出た。当時、魔術界の治安は最悪だった。孤児や浮浪児、浮浪者で町はごったがえし、下水管が漏れて嫌な臭いがした。反逆者やクーデターは当たり前、中には殺人...全文を読む

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2010.11.06 (Sat)

 「あなたに高術師、監視役を任せます。」母からこう、言われた時、グレイスは飛び上がるところだった。「そんな、まさか、あの・・・」「もう決めた事です。もう少しで到着しますから、その時に発表します。身なりを整えて大聖堂へ来なさい。」母はそう言って、グレイスの部屋から出て行った。母の突然の訪問に、グレイスは戸惑った。母は女王の身。たとえ自分が娘、王女であっても、やすやすと近づく事は出来ない。それに高術師の...全文を読む

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2010.11.05 (Fri)

 翌朝、エバイアーズが疲れきって起きた時には、シュールベルトはもう朝食を食べに行っていた。ご丁寧にメモを残していったのだ。『先に食べにいっている。』エバイアーズはシュールベルトのこのこまごまとした字で書いたメモを見て、クスリと笑った。笑った時に頬の筋肉がこわばったところを見ると、ここ数日間一度も笑っていないらしい。まぁ、マカと一緒じゃないから当たり前か。それから今度こそ見つからないように消毒して包帯...全文を読む

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2010.11.04 (Thu)

 シュールベルトがぶつくさ文句を言うのに、エバイアーズはもううんざりしていた。「ったく。どのくらい文句を言えば気が済むんだ?」「あぁ~うるさいうるさい。全くもう嫌になる。お前と一緒に旅をするなんて。バカげている、侮辱だ、クジ運が最高に悪い!」シュールベルトはさっきからこの調子だ。というのも、地界には自然が無い為、そこで術により野営する事もできず、また、狭いので術を使うと目立ってしまい、術は禁止。非常...全文を読む

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2010.11.03 (Wed)

 ちっ、まずいぜ。かなりまずい。さぁどうしようか? と俺は考えた。何故かって?事の始まりは、一週間前だった。「『最上級ブラカンズと上級ブラカンズ、ブジートに捕まる』だってさ。」一週間前。同僚のブラカンズの言葉に、「そうかそうか。今は不景気だからなぁ。しょうがない。」と、俺は普通のブラカンズよりは楽観的な答え方をした。しかし、同僚のブラカンズの次の言葉に、俺はそうそう、楽観的な考え方も出来なくなった。...全文を読む

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2010.11.02 (Tue)

 六時間半に渡る長い長い会議がやっと終了した頃には、最高術官でさえ、疲れきっていた。「では、これで会議を終了とする。」と、自分で宣言した時にはほっとした。何しろ、フコウの戦力増しは重要な問題だったので、さっさと片付ける訳にもいかない。魔法使いの魔力を抜き取って戦力とする、という案には賛否両論が出て、激しくぶつかった。しかし、とりあえずこの案は保留としたのは、将来有望の最年少高漢使術師兼高官を務めるエ...全文を読む

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1章 1

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2010.11.01 (Mon)

 嵐の中、一人の術師が先を急いでいた。歳は、十四、五くらいだろうか。すさまじい突風と、豪雨なのに、彼の周りだけは微かな淡い光を放っていて、術師は全く濡れもしなければ、服装が乱れもしなかった。染めたかのような薄い茶色の髪は、まるで微量しか風がふいていないように微かになびき、整った顔立ちをしていたが、よく見れば、顔や長袖のローブのような裾の長いパリッとした服から少しかいま見える手には、無数の傷跡があった...全文を読む

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