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【  2010年02月  】 

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2010.02.07 (Sun)

 麻布は夢を見ていた。まだ幼かった頃の夢だ。穏やかで美しい母とたくましい父に囲まれ、その頃はまだ弟もいて一般的だが普通の幸せを享受していた。誰にも言わずに胸に秘めた四人家族の風景。暖色で彩られたそれらは麻布の胸に訥々と人の温もりを訴える。『にいちゃんにいちゃん、これ見て。でっかいカブト虫とったの。がんばったでしょぼく木にのぼったんだよ。こ~んなでっかい木。こんどクワガタもとりにいくんだよ。にいちゃん...全文を読む

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2010.02.07 (Sun)

 (美樹)「っはよー」「っはよ。あれ?目ぇ腫れてるよ。泣いた?」まあね、と親友の香里奈に笑いかける。大丈夫かな?変な顔、してないよね。「フられちったー」「え、青木に?」「うん。てかあんなやつこっちから願い下げだしー」正直、昨日は泣いた。でも、メソメソしてても仕方がないし、もうふっきれた。と思う。まあ、時間が経てば、まだくすぶっている思いも消えるだろう。だから待つしかない。「あ、そーいえばさー、D’s...全文を読む

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2010.02.07 (Sun)

 (右京)目覚ましが鳴る。日差しが、強くカーテンを突き抜けてくる。昨日とは打って変わって、晴天らしい。そんな天気だというのに、俺の心は晴れなかった。まず、何より腰が痛い。そして、寝不足だ。―早めに寝たはずなのに、頭が重い。腰は、痛いなんてもんじゃない。立ち上がれるかどうかも、怪しかった。その痛みが、昨日、この部屋で起こったことは、現実なのだと主張していた。俺も、それを受け入れざるをえなかった。「うっ...全文を読む

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2010.02.07 (Sun)

 (右京)日曜日は、朝からはっきりしない天気だった。ぽつりぽつりと雨が落ちてきたかと思うと、雲の間から日が射したりする。着替えをして、1階のダイニングに降りて行くと、兄慶介が声をかけてくる。「おはよう。今日は出かける予定があるから、出るときは鍵もってけよ」ノンフレームの眼鏡が合う知的な(とよく言われる)表情を百面相に変化させながら。人はよく兄のことを真面目というけど、自分の方が余程真剣に物事に取り組...全文を読む

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2010.02.07 (Sun)

 おはよう、おはよう、と声が飛び交う教室。麻布柳がその輪に加わることはない。けったいそうな眼で、同級を冷ややかに見ているだけだ。そんな麻布に1人だけ声をかける友人がいる。「やなちゃん、おはよう」愛嬌ある顔で笑いかけるのは前原千歳。麻布の唯一といっていい程の友人だ。「だから、その呼び方はやめろって・・・」麻布は辟易したが、同級への嫌悪をあらわにした冷たい眼ではない。麻布もうすうす感づいていた。このくり...全文を読む

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プロローグ―麻布柳の述懐

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2010.02.07 (Sun)

 もうずっと独りで生きてきただれにも心を開かず本心を打ち明けず心の張り裂けそうな痛みも、人への不信も嫌悪も、すべておし隠して平然とした顔で苦しみを見せないようにして。苦しみを打ち明けられる人などいなかった。今もいない。心はぎりぎりと傷つけられ、もう立ち上がれないほどに踏みつけられ、自尊もプライドも粉々に打ち砕かれ人々の嘲笑う声が、いつも聞こえるその見下した目つきに怯え私は無力なのよとエゴを振りかざし...全文を読む

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2010.02.01 (Mon)

          黒々とした水底で助けを求める少年は―― R18.※警告※父から息子への性的・心理的虐待描写、及び、レイプ描写有。プロローグ 麻布柳の述懐1. 乾いた日常2. 柳、暴走する3. 凶兆4. 暴行の傷5. 夢=R18以上の性描写あり=インモラル/暴力描写あり...全文を読む

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